いよいよ4月1日から相続登記の義務化が
スタート。でも実は、もう既に所有者不明
土地問題へ国の取り組みが始まっている
のをご存知でしょうか。役所からの見慣れ
ない通知に戸惑う方も多く、最近の法改正
等から二つご紹介します。
1. 長期相続登記等未了土地の解消事業
ある日突然、法務局から「長期間相続登記等がされていないことの通知」が届いてびっくり!という方はいませんか?平成30年11月15日「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」の一部が施行され、登記名義人が死亡後、10年以上の長期にわたり相続「放置」された土地について、相続登記手続きを促す措置が始まっているのです。公共事業の遂行活用のために、地方自治体等の求めに応じて登記官が調査し、法定相続人を探索した上で、相続人へ通知を送ることとされており、上記はそのための通知。また、登記簿に長期間相続登記未了である旨が職権で付記され、法定相続人情報が法務局に備えつけられます。国にとっても非常に気の遠くなる作業ですが、既に約29.4万筆の土地について完了しています。
注意すべきは、この通知は相続人全員ではなく、その内の一名に送られるということ。登記官が相続人の探索を終えているので、戸籍調査を省略できるのは助かりますが、数世代に渡って相続人がひろがり、思わぬ形で自分が当事者に、もはや他の相続人の名前もわからないというケースも多く、連絡を取り合うこと自体が一苦労ですね。でも、今後は相続登記義務化で、これ以上の放置はできません。一方で、こうした大きな変化、不安に便乗してた詐欺も増えています。
もし、通知が届くようなことがあれば、まず市川事務所に相談をしてください。
❶相続人全員と遺産分割協議をして相続登記を申請する、❷ひとまず4月1日以降、3年以内に相続人申告登記をしておく、といった方法の他に、状況よっては❸相続放棄が可能なケースもあります。速やかな対応が肝心です。
2. 空家等対策の推進に関する特別措置法の改正 建物についても、「放置」が厳しくなりました。空家等対策の推進に関する特別措置法の改正が昨年12月13日に施行され、市区町村から指導・勧告の対象となる空き家の範囲が拡がったのです。「そのまま放置すると倒壊等の恐れがある空家(特定空家)」に加え、今後は「窓や壁が破損しているなど、管理が不十分でそのまま放置すれば特定空家になるおそれがある状態の空家(管理不全空家)」まで対象となります。
空家の発生原因の半数以上が相続。故人の名義のまま誰も住まなくなりそのままになっているというケースです。管理が不十分なまま放置を続けると、やはり市区町村から相続人に対し通知が届くことになります。さらに進んで、市区町村からの指導にも従わず「勧告」を受ける事態となれば、固定資産税等の軽減措置(住宅用地特例)を外され、固定資産税が6倍になってしまうことも。
大切な財産の話です。住まなくなった後の家をどうしたいか、やはり、親の考えをきちんと遺言にし、引継ぎの手続きとその後の片付けが当たり前に運ぶようにすることでしか根本的な解決はありません。さらに言えば、空き家問題は、突然の入院・施設入所など、生きているときこそ重要な問題です。認知症になって空き家を売れず、さらに管理不全になってしまうような事態は絶対に避けなければなりません。負の財産にしないこと。自分の財産を自分のために十分に活用できるようにするにはどうしたらいいか。本来の対策は自分自身の準備、遺言・任意後見契約の活用とその具体化にあります。
今回の改正を一つの話題に、ご自身の希望をご家族と話し合ったり、老後資産の把握と計画を立ててみてはいかがでしょうか。