統括マネージャー  中本かおり

 
近年、日常生活の様々な場面で「デジタル化」がどんどん進んでいます。政府も「デジタル社会の実現」を掲げ、これまで紙で行っていた書類の提出や窓口での手続きを、オンライン化する取り組みを進めています。今回は、そんな「手続きのデジタル化」についてのお話です。

 押し寄せる「手続きのデジタル化」の波。中でも注目されているのが、「マイナンバーカード」と健康保険証、そして運転免許証の一体化です。
 マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになってから、もうすぐ1年。さらに運転免許証との一体化も始まり、1枚のカードで身分証明・医療・運転資格の確認までできるようになりました。とても便利になった一方で、個人情報の取り扱いにはこれまで以上に注意を払う必要があります。
 たとえば、同意すれば医師や薬剤師が他院での受診履歴やお薬の情報を確認できるようになるなど、医療の質が高まるメリットもある反面、情報管理の大切さも増しています。
 司法書士の仕事も例外ではなく、私たちの業務やお客様の手続きの進め方にも少しずつ変化が生まれています。遂に公証役場でもデジタル化が進み、これまで紙の原本と印鑑で行われていた公正証書の作成や認証が、電子サインや電子署名などの仕組みを使って行えるようになり、(一部を除き)紙の正本だけでなく、電子正本をダウンロードして受け取れるようになりました。さらに、“パソコン”を使ったリモート方式も導入され、ご自宅などリラックスできる場所から遺言公正証書を作成することも可能になります。
 これまでの公正証書作成の流れを考えると、まさに大きな進歩ですね。
 もちろん、デジタル化は便利になる反面、新しいリスクもあります。電子データの改ざん防止や本人確認の厳格化など、より専門的な知識と慎重な対応が求められるようになっています。
 
 当事務所では、最新の制度や技術にしっかり対応しながら、お客様が安心して手続きを進められるよう丁寧にサポートいたします。デジタルの時代だからこそ、「信頼」と「確実さ」を大切に。これからも、皆さまの身近な法務パートナーとして、暮らしの安心を支えてまいります。

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