最近、高齢者世帯を狙った犯罪が増加、
凶悪化しており、ご本人もご家族も、
みなさん心配されていることでしょう。
高齢者の犯罪被害は、オレオレ詐欺に
注目が集まりがちでしたが、侵入窃盗、
強盗のターゲットにもなりやすいと
考えられ、犯罪者は、高齢であることの
弱点を狙い、必ず事前に調査している
ことがわかっています。
(警察庁・犯罪統計書)
今回は、A警備会社の「みまもりサポート」で悪徳訪問販売を撃退できた実例をご紹介します。見守りサポートというと、インターネットセンサーやカメラで、自宅での体調急変、転倒などのケガ、孤独死防止、などの機能をイメージされるかと思いますが、使い方により防犯にも役立った、という実例です。
■Kさん・86歳女性:横浜市内の戸建てに息子さんと2人でお住まい。息子さんは平日お勤めがあるので、日中はご自宅で、おひとりで過ごされている。
先日Kさんの息子さんから、緊張した声で電話がありました。「私の不在中に、ガス機器・給湯器の点検に訪問したいと電話があり、母がお願いしたようなんですが、聞きなれない会社だったので、不審に思いご連絡しました。」
息子さんに、契約しているガス会社に点検の真偽を確かめてもらうようお願いしたところ、「そんな会社には点検を委託しておらず、インターネットで調べても会社名はでてきませんでした。母も定期点検だからと言われ、連絡先を聞かなかったようです。どう対応すべきか、相談にのってください」とのこと。
Kさんが、契約しているA警備会社に連絡をとり、ことの次第を説明したところ、「不審者の訪問があったらご本人が不安を感じた時点で迷わず緊急警報ボタンを押してください。すぐに隊員を向かわせます」との回答。Kさんに連絡をし、その旨をお伝えしました。
「息子が家にいてくれたらいいのですが、仕事があるのでそうもいきません。ヘルパーさんも毎日来るわけではないので、ひとり暮らしと同じです」と、Kさんは怯えているようでした。
その後ボタンの操作手順を確認し、警備会社に連絡のうえ緊急通報ボタンを押す練習をし終える頃には、「困った時、すぐに駆けつけてくれるなら、よかった。体調が悪い時に限らず、困ったことがあれば押してもいいんですね」「心配はありますが、ボタンを手元に置き、いざという時にすぐ押せるようにしておきます」と少し安心されたようでした。
後日息子さんから、訪問販売を無事解決できたとの連絡をいただきました。「母はドアを開けず、インタホーン越しで断ろうとしたらしいのですが、うまくいかず、緊急通報ボタンを使ったようです」「あの家はすぐ通報すると悪徳販売者たちに広まれば、もう寄り付きませんね」
「母が突然倒れたときのためにと思い見守りシステムを契約したのですが、今回は本当に助かりました」と言っていただき、私たちもほっとするのと同時に、お役に立てたことを喜ばしく思いました。
高齢者の防犯対策では、基本の対策に加え高齢者特有の弱点を補うことが大切です。身体機能や認知機能の低下により、事前に危険を察知する力や危険に直面した場合に対処する力は、年齢とともに低下していきます。
今回、問題解決できたポイントは4つ。①日中様子をみている人物(今回のケースでは息子さん)が異変に気づいてくれたこと②それを市川事務所に伝えてくれたこと③高齢者を守るみまもりシステムに加入していたこと④練習した通り緊急通報ボタンを押せたこと、でした。
訪問販売の営業リストや居住者情報が凶悪犯罪に利用されています。この家は、やりやす
いと犯罪者に認識されないようにしっかりと対策をしてください。