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今年の3月、不動産登記法の大幅改正が行われ、日本の登記制度 が大きな転機を迎えました。それまで 実施されていた不動産登記法は100年以上も前に制定されたものでしたが、その内容の一部は明らかに 現代社会にそぐわないものとなっていました。 例えば登記を申請する場合、必ず法務局へ出頭せよという決まりがありますが、これは当事者が法務局まで行って 登記所の職員の目の前で登記申請書を出すことによりニセの売買ではない、ということを証明するわけです。 このやり方は、登記所の職員が村の人々の顔を見ただけで本人かどうか判断できた時代の話であり、今の登記と いうのは現実にはほとんどが司法書士が本人の委任状を持って代理申請しており、昔の法律の意図するところとは 段々とかけ離れてきていました。 オンラインによるデータ交換、ペーパーレス化の流れを受けて、市役所などの行政サービスでは、新しい 事務処理方法を積極的に進めているにもかかわらず、登記所だけは相変わらず出頭して紙の申請書を出す、と いう具合で旧態依然としたやり方を引きずっていることが批判されてきました。 そのような世論を受けて、今回の大改正に踏み切ることとなったわけですが、一般の方々に大きな影響を及ぼすと 思われる点を3つ、挙げておきたいと思います。 @法務局へ出頭しなくても登記申請ができることになる(郵送申請が認められる) ※ただし、登記が済んだ後の登記済証については一部を除いて法務局に郵送での返却を依頼することは不可。 そして徐々にオンラインでの登記申請に移行(完全移行までに今後5年くらいかかると言われている) Aオンライン指定の法務局(現在は埼玉地方法務局上尾出張所のみ)においては従来の登記済権利証ではなく 「登記識別情報」 (数字とアルファベットを組み合わせた符号)が交付される。 B従来、権利証を紛失した際に行われていた「保証書」制度がなくなり、事前の本人への確認通知による方法か、 資格者代理人(司法書士 、弁護士)による「本人確認情報」を添付することになる |
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新しい不動産登記法は平成17年3月7日から施行 されました。埼玉地方法務局上尾出張所を皮切りに、これから 急速に登記のオンライン化が進められる予定です。しかし法務省によりオンライン指定庁となった法務局でも、いきなり 全てがオンライン申請可能となるのではなく、住んでいる市町村の住基ネットが整備されること、など様々な条件があります。 つまり、全国すべての登記所でオンライン申請ができるようになるまでにはあと5〜6年はかかると言われています。 ところで一言でオンライン申請といっても、自宅から気軽にネットショッピングのように・・ということができるのでしょうか。 登記の申請というのは言うまでもなく何千万円、何億円という財産の権利を書き換える行為であり、そのようなものが 大した審査もなく簡単にできるということになってしまうと所有者になりすまして勝手に売りとばす、という恐ろしいことが あちこちで起こる危険性があります。そこで、法務省は、従来紙で提出していた添付書類を電子データにし、それに 電子署名をして電子証明書をつけるということで登記の間違いないことを確認する方法を取ることにしました。 さらに、オンライン申請をする者は、あらかじめ法務省のオンライン申請システムへの登録とIDの取得が必要となり、 一生に1度か2度しか登記の申請をしないであろう一般人がこのような手続を踏むことは非常に面倒です。 ですから、「オンラインになったことにより誰でも手軽に申請できる」というのは残念ながら新しい法律への誤解と 言わざるを得ません。オンライン手続に精通した司法書士事務所を慎重に選び、確実に登記を申請してもらうことが これからの時代はますます必要となってくるのです。 |
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もう一つ、巷で大きな話題となっているのが「権利証という書類がなくなる」という点です。従来の不動産登記法の もとで、何十年と日本人の感覚に馴染んできた「権利証」が消えていくことに対し、戸惑いを隠せない方も多いようです。 このサイトをご覧になっている皆様も、これを 読んで「自分が今持っている権利証はどうなるの?!」と心配になった方も いらっしゃるでしょうがご安心下さい。今までの権利証がいきなり使えなくなるわけではなく、当然ですが権利がなくなる わけでもありません。上記のように登記を申請しようとする登記所がオンライン指定庁になるまでは従来の通りの紙申請と なりますから、その場合には売主が権利証をつけて申請し、登記が終わると買主に対して新しい権利証が発行されます。 しかし、もし今後オンライン指定庁で登記を申請する場合には紙の権利証が発行されるのではなく、「登記識別番号」 というものが交付されます。 では、この耳慣れない「登記識別番号」とは何者なのでしょうか。基本的なところを次に解説しておきます。 |
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オンライン指定庁に対して登記を申請した場合には上記のように「登記識別情報」(以下、「識別情報」と記す)という 番号が交付されるわけですが、これは数字とアルファベットを組み合わせた12桁の暗証番号のようなものです。 登記が完了すると法務局から番号の部分に目隠しシールが貼られた状態の書類が交付されますが、次回、その人が 今度は売主となって売却する場合に、法務局に対して識別情報を示すことによって本人であることを証明します。 しかし、識別情報には「他人に知られてしまうおそれがある」「持ち主自身が識別情報を忘れてしまう危険がある」など 致命的な問題点があります。それを解決するため、「他人に知られた場合は識別情報の失効を申し出る」ことができ、 また、「最初から識別情報を発行しないでほしいという申し出をする」こともできます。 権利証のように「目の届くところに保持し、現物が盗まれなければ安心」というわけにはいきませんので、今まで以上に 管理や開示にあたっての慎重さが求められることになります。 |
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ここに掲げた不動産登記法改正の基礎知識は、ほんのさわりにすぎません。オンライン化を軸として今回の改正では さまざまな部分に手が加えられています。これから相続や不動産取引を予定されている方はもちろん、不動産に携わる 業者の方々も、新法に関する疑問質問がございましたら下記のフォームよりお気軽にお尋ね下さい。 |
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